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「ラブライブ!サンシャイン!!」2期第6話 感想 -ついに形になった「Aqoursらしさ」とはいかに-

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ラブライブ!サンシャイン!!」2期第6話を見ました。

いや、まともかよ。

ようやくだよ、ようやく。ようやくまともなセリフが多い回だった。なんだよこのまともな回が来て安堵する感覚は。

 特に深みは無いんだけど、単品で見たら2期で一番まともな回だった。

 

1.やはりスポ根は良い

簡単にあらすじを整理する。

50人まですぐ集まってた入学希望者はひと月で10人も増えずに、57名。

100人の条件をクリアするには地区予選がラストチャンス。

しかし、地区予選は会場投票があるため、生徒数の少ないAqoursは圧倒的に不利。

逆転するための切り札は一つしかない。

それは、3年生が以前挑戦して成功に至らなかった、激しいフォーメーション。

そして、センターが披露する、アクロバット

千歌たちはこのウォールを超えてAqoursをブレイクスルーできるのか。

 

といったところか。

 

分かりやすくて良い。

いや、これは皮肉でもなんでもなく、私は単純明快な方が基本的にいいと思っている。抽象的で含みを持たせた雰囲気を否定はしないが、個人的には、明示的に、目標→方法→結果、があった今回は、少なくとも2期の中で一番見ごたえがあった。

 ラブライブというアニメは簡単に言ってしまえば、部活で全国優勝を目指す、いわゆるスポーツ根性ものだと思っているが、今回はまさにその楽しさがあった。

まあ、頑張るところがアクロバットである賛否は置いておいて。

 

2.三年生はやっぱ好き

ラブライブ!サンシャイン!!で今のところ一番面白かった回は個人的に1期の9話で、土台がダメだと言っていたこのアニメの中でも、3年生の関係性だけ見れば、安定してると思っている。だから今回で3年生にスポットが当たっても、土台がちゃんとしている分、見ていて面白かったと思う。

9話を思い出させる果南の「気にしすぎて頑固になっちゃう」っぷり。もうやるしかないのは分かってるんだけど、誰かが傷つくのは見たくないという葛藤。

すーぐ大事なもの投げ捨てるやんこの子ー、ってなるけど、9話があるから愛せるシーンになっている。

個人的には鞠莉の「否定しないで。あの頃のことを」というセリフも好きだ。悲しい結末でもあの瞬間の気持ちは大切に思っているんだから否定してほしくない。むしろ彼女たちにとってはまだ結末には至らず、2年越しに物語が進みだしたのだから、なおさらだろう。

すごい。物語が真面目だと、文章までちょっと盲目信者なノリになっている。

というか、もっと早くそのノリやれよ。真面目な感じ。ここまで取り上げたい好きなセリフすら無かったからね。

合わないわー、なーんか合わない。私とは真面目なところとふざけるところの具合が合わなくて、もったいない。

 

3.千歌がすごい

ここまで千歌に対して「なんか良いこと言ってるっぽい」くらいの評価しかなったが、今回は大分頑張った。

まず、ここまで抽象的に表現されてきたAqoursらしさに対して「まだ形になってない」って、こっちがずぅーっと思ってたこと言ってくれた。安心したよ、そこの認識がそっちと合っていて。だよね、まだ形になってないよね。だからこそ「形にしたい」だよね。あーやっと話が進むよ。

さらに、「今そこまでしてやる意味があるの?」とめんどくさいモードの果南に「今そこまでしなくて、いつするの?」とこっちが突っ込む前に言ってくれた。

そうだよ、いつやるの、今でしょ!

いつになくセリフが的を射る率が高い。

そして終盤、ついにやってくる、普通怪獣ちかちーとの決別。

 1期からずっと引っ張ってきて、「ガオー」とか言ってるシーンは正直キツイなと思っていたわけですが、だからこそ決別は印象強い。

あとちょっとで上手くいく、というところで、自分は何もできていないと嘆く。

しかし仲間の言葉によって、恩返しのために頑張るのではなく、自分たちだけの輝きを見つけるために頑張るんだ、というメンタルの変化を経て、成功につながる。

少なくともここまでで一番うなずける成功だと思う。

 ロンダートからバク転……。

 

4.中の人がちらつくジレンマ

ここまでビックリするほどベタ褒めしているが、残念なところも、というか、ジレンマと題するように、どうしようもないのかなあ、というポイントがある。

それは、千歌が挑戦し続けたアクロバットを披露したとき、中の人が大変だ、と思ってしまうことである。

少しもそれを考えずに視聴できた人っているんだろうか。つまりは、中の人がアニメ映像を再現する、ということを全く知らずに見た人っているだろうか。

今回作中で千歌は曲のサビ前で、ロンダートからバク転らしき技を披露する。このシーンを見て、サンシャインの声優さんに明るくない私ですら、うわーこれやるのかー、と思ってしまった。

この感情、アニメを視聴する上で必要だろうか。

成功してよかったー、で終われるはずが、これ再現大変だな……と思ってしまうのはなんだかもったいない気がしてしまう。

「梨子のピアノで感動的な映像撮れたから調子に乗って、声優に無理をさせようとしてるんじゃないか」と否定的な感情すらわくのも仕方ないと思える。

特に今作は明らかに再現ありきで若いアイドル向きな声優を起用しており、実際に人気も凄まじい。中の人ありきで物語が決まるなんてさすがに、と思っていてもつい考えてしまう。

声優がライブを再現する、という面白さが逆にアニメ本編に介入してきているというジレンマ。難しいところである。

 

5.そもそもアクロバットでいいの?

結果は次回であるが、見事に地区予選突破、という前提で話を進める。もし、まさかの敗退になったら完全に無駄な感想である。

 

4項の事情もあって個人的に賛否ありそうだなと思った千歌の大技。

先に行っておくと私の考えは、「アクロバットでなければならないとは思わないが、アクロバットが間違っているとも思わない」と曖昧である。正直、はっきりとした答えが出ていない。

否定的な考え方を述べると、
Aqoursらしさを形にした結果が、歌とかダンスではなく、ある種飛び道具的なアクロバットの大技だということにガッカリする。

これまですごく歌詞とか曲に想いを込めて、それを歌ってきたのに、そういうのとなんの関係もないアクロバットで「らしさ」を表現って浅くね、ということである。

 この考え方はかなり正しい気がする。というか、反論できないし、私はほとんどこの考えである。

千歌と聖良の会話にも、「歌やダンスのレベルで並んでも、μ'sやA-RISEには届かない」と、技術以外の部分が大切であると出てくるのに、結局フォーメーションとかアクロバットって技術じゃないか?となるし、アクロバットは唐突でAqoursのこれまでの物語と具体的なつながりはない。

じゃあ、否定派ということで「あそこで唐突なアクロバットはクソ」、としてしまうのもなんか引っかかってしまう。引っかかりたい。最近この作品を擁護する楽しさに目覚めている。

この項の冒頭で述べたように私の意見は、簡単に言えば「表現の方法はなんでもいいんじゃない?」ということである。

ありきたりな言葉になるが、挑戦して乗り越えることが重要で、その表現方法が、難しいフォーメーションとアクロバットの大技でもいいじゃない。だってこれはラブライブなんだから。

ラブライブという大会に対する認識を述べるが、この大会は、作中の言葉を使うと、どれだけ「輝いてるか」って部分を評価される大会で、その表現方法は、歌を披露するというルールに乗っ取ってさえいれば、自由、だと思われる。

極端な話、めっちゃ歌とダンスが上手い人が「スクールアイドル冷やかしてやろ」って気持ちで出場しても優勝できない、そんな大会であるはず。

じゃあ逆にどうすれば良い評価がされるのかってなると、すごく曖昧であるが、そのサンプルとして我々に与えられてるものは一つしかないと思っていて。

それが前作で優勝までたどり着いたμ'sである。

で、そのμ'sは、激しいフォーメーションや奇抜なアクロバットを武器にしていなかった。だけ、な気がするのだ。武器、というよりも、「表現のための媒体」と言った方が正しいか。

要は、アクロバットの違和感は、私も含め、ちょっとμ'sに引っ張られてないか、ということが言いたい。

 アクロバットは、曲や歌で表現するのと違うだろうか。私はそこに偏りは無いと思う。「だからアクロバットは技術的な部分じゃん」って思うかもしれないが、彼女たちは、フォーメーションやバク転を通して技術レベルの高さを観客に見せたかったわけではないはず。

そう、それは気持ち。ジャパニーズ☆KI☆MO☆CHI☆である。「届かないと思える光に手を伸ばしてここまでやってきたんだよ、どんなもんじゃいっ」という気持ちを、思いを表現したかったはずである。

その表現を、曲でも歌詞でも歌でも衣装でもダンスでもプラスαの何かでも、何に乗せてもいいと思う。Aqoursは今回バク転だっただけ。

いや、バク転自体はAqoursにとっての積み重ねは無いよ。「実は3年生が2年前挑戦して形にならなずに封印した奥義がある」って感じで唐突に登場したからね。そこは否定できないよ。だから「アクロバットでなければならないとは思わない」だ。

フォーメーションやアクロバットに対する私の意見に戻ると、Aqoursだって立派に「技術以上の何か」をステージ上で放出できたって描写だからいいじゃない。ということになる。

 

……これで予選敗退だったら本当に転げ落ちるな……。

 

6.もう全国?

5項が自分でも何言ってるか分からなくなっているが、とりあえず6話の感想はこんなところだ。

どうしても積み重ねの深みが無いので、ひねくれた書き方になってしまうが、この6話は単品で見ればサンシャインの中でもかなり良い回のはずで、そこは素直に喜びたい。

おそらく7話の冒頭で地区予選突破になると考えれば、もう決勝大会?かなり早いな。

とりあえず3年生を軸に進めればまだ希望はありそうなので、キャラクターの掘り下げをもう少しやってもらいたい。曜さんとかルビィさんとか……。

でも多分ギャグ回は回避できないんだろうなあ。

 

あと今回の好きピ。

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以上です。ありがとうございました。