「ラブライブ!サンシャイン!!」2期第7話 感想 -いやマジに『残された時間』は少ない-
文句ばっか言うのに毎回欠かさず視聴して長文垂れ流すおじさんです。
色々と話題の「ラブライブ!サンシャイン!!」2期7話見ました。
うーん、もったいない。
良回に成りえた回だった。
成りえた、とひねくれた表現なのは当然、成らなかったと思うからだ。
この7話が悪い、というよりは、結局のところ、
で書いたことと同じで、ここまでの積み上げが上手くいっていないから、展開があっても不発に終わってしまうのだ。
1.『廃校確定』は衝撃展開、のはず
ついに決まってしまった廃校。
廃校阻止を目標に頑張るAqoursを見てきた視聴者にとってそれは、あまりにも受け入れ難い衝撃の展開……でもない。
いやもちろん何も感じないわけでは無いのだが、物足りない。
1期から20話もかけて物語が進んできた先で突き付けられた展開にしては、それだけの重みを感じなかった。
なぜか。
20話の中で学校に直接関わるテーマが少ないからだ。
どれだけ思い出せるだろうか。浦の星女学院での思い出を。
とりあえずパッと思い出せる学校の風景は、体育館と、部室となる物置、屋上、千歌たちの教室。あと理事長室? うーんその程度だ。
何せ2期だけに絞っても、浜辺、お寺、水族館、と全然学校を舞台としていない。
だからといって、千歌たちが悲しむのがおかしいと言いたいわけでは無い。千歌たちは泣いて当然、誰だって毎日過ごしてきた自分の学校が無くなるのは悲しいに決まっている。
しかし、観ている我々は、彼女たちを通さないと浦の星女学院に触れられない。その機会が少なすぎる。
だから、感情移入することが出来ない。
土台が無いのに展開だけ押し付けられても困る。
おそらく、20話分、じっくりと浦の星女学院の良さ、そして彼女たちが学校にかける思いを描いてあれば、彼女たちと同じように我々も泣ける回だったはず。
しかし、未だに印象は「廃校キター」→「やっぱりこの学校好きなんだ」とたった1話で描かれた説得力しかない。
とにかく、20話分の重みが全然ない。
20話かけて描くのが無理ならば、もっと早くこの展開を持ってこれたのではないだろうか。
個人的には2期の2話、3話あたりでさっさと展開して、残り10話かけてAqours最後の戦いを描いた方がマシだったと思う。
これは後出しで説得力が無いが、私は2期1話の廃校がほぼ決定、という時点で「廃校確定したけど最後に向かって進む展開」になると思っていた。
それが「最後まで諦めずに阻止する展開」になりダラダラと6話使ってしまった。
1~6話があるから7話の重みが出る、という考えも間違っていないが、私としては1~6話の内容は、もっと戻って1期で済ませられる話ばかりだと思っている。
20話かけるにしろ、かけないにしろ、1期にちゃんと土台をつめておけばこの展開がより重く深い展開になったはずである。
結局、話数に限りあるアニメにおいて、1期で作ってしまった遅れは、最後まで響いてしまう。取り返しがつかないのだ。
皮肉にも、ついに間に合わなかった浦の星女学院と同じであった。
2.もう慣れた強引さ
今作で散見された強引さというか駆け足感というか、それがこの7話でも顔をのぞかせている。
まず、一番しょーもないところから触れると。
朝4時に入学希望出すやつおる?
そもそも、ネットでポチッて入学希望とかシステムがよく分からないのだが、そこを無視しても深夜から朝5時にかけて入学希望が微増していくのは、突っ込まざるを得ない。
時間だけが過ぎていく重苦しい雰囲気は追い詰められた中でのキャラクターが感じられて結構好きだったのだが、そこに関しては真顔になる。F5連打してたのかなあ。
そして7話の最も大切なシーンである、モブたちからの呼びかけで千歌たちの考え方が変わるところも、不自然というか、あっさり過ぎる。
「廃校は救えなかったけど、最後に名前を残そう」 という展開自体に不満はない。
無印と下位互換で同じ事やってるだけじゃん、と批判していた私的には、ここで大きく違う展開に進むことは、むしろ楽しみである。
しかし、その大事な転換を、たった数分の尺で済ませてしまうのは、あまりにも雑すぎないだろうか。
廃校決定の失意の中、「本当にこのままラブライブに出場するのか」を一度、各々が考える。
そして再び集まった彼女たちが出した答えは、「学校を救えないのでは、輝きなんて見つけられない」とネガティブなものだった。
これ結構あっさり言いますけど、相当極端な考えだと思う。千歌なんて「ラブライブだとか輝きだとか、どうでもいい」とまで言っている。
やっぱりみんなそうだよねって雰囲気だが、本当に全員が全員この考えで一致しちゃうのか。
何日考える期間があったのか不明だが本当に「廃校決定したらもう意味なし意味なし」って全員なっちゃうの? これまでのAqoursの活動はそんなものなの?
まあ、いいよ。それで意見が一致したならそうなんでしょう。と思っていたら。
\じゃあ救ってよー!/
ですよ。
そしてこれまたあっさりと「じゃあ優勝目指す」って。
簡単すぎるでしょ。
いや、モブが気持ちを語って、それで考え方が変わるってのは否定しない。
ただここの考えの変化って相当大事だと思っていて。
その場のうちに、横から飛んできた声で、「Aqours全員が真剣に考えた結果、意見が一致している考え」が簡単に覆っちゃうのは軽すぎる。
千歌なんてこの2分足らずの間に、
「ラブライブなんてどうでもよくなってる」
\じゃあ救ってよー!/
「ぶっちぎりで優勝する!」
である。
6話であんだけ褒めたのに、情緒不安定で口だけの千歌に逆戻りである。
ただ、ここの千歌が2分間で全く真逆のことを言っている、というのは違う気もする。
「相手なんか、ドームなんか、決勝なんか関係ない」と言っているあたり、千歌の最終的な気持ちは「ラブライブなんかどうでもいいけど、優勝して名前を残させてもらう」って感じに思える。
「廃校阻止できなかった時点でラブライブとか『輝き』とかどうでもええわ」
「でも名前残せるんじゃ……」
「その手があったか、ラブライブ使えるな」
ってことだよね?
これからはラブライブに対するリスペクトは無いスタンスで進むんですかね。うーんふてぶてしい。まさに怪獣か。
で、最終的に優勝を追っかけてたら「輝き」も見つかっちゃった的なね。
話は戻って、要はね、この話せめて2回に分けてほしかった。
廃校決定→失意で一回切って、そこから千歌たちが悩んで、もっと自然な形でモブたちの声を知って、「名前を残すことはできるんだ!」って答えにたどり着く。すごくいいと思う。
もっとじっくり描いて欲しかった。
でも、描けない。
なぜなら、もう20話も使っちゃっているから。
ここで2話も3話も使っていられないのだろう。
めちゃくちゃ大切な回なのに、たった1話で全てを消化させてしまうのは、もったいないなあ。
3.もう終盤なのだが
この2期7話を単なる「2期の折り返し」と考えるか?
いや、全26話のうちの20話と考えるべきだろう。
残りはもう1/4しかない。この物語は終盤に入っている。
しかし扱うべきテーマはまだまだ残る。
3年生の卒業、学校との別れ、Aqoursの存続、ラブライブ決勝、とパッと思いつくだけで4つもある。
それをこれから、残り6話で終えなければならない。(劇場版の可能性は高いが)
『残された時間』は本当に少ないのだ。
1話1話を大切に扱ってくれないと、全てが今話のようにあっさりしかねない。
もったいないのだ。サンシャインがよくなる兆しはある。
そして次回、「HAKODATE」!
うわぁ……不安だぁ……。
あと今回の好きピ。冒頭の曜ちゃん回を思わせる感じなんだったんだよ……
以上です。ありがとうございました。