ラブライブ!の話をするブログ

おもにラブライブ!の話

私が見たBerryz工房

ラブライブ!の話じゃないです。

突然タイトルに具体的なアイドル名を示してどうしたのか、という話なのだが、近ごろ人間の記憶の儚さを実感していて。

10年前、20年前の記憶ってどんどん薄くなって、印象的なことは覚えているにせよ、日常的なこととなればもう、ほとんど記憶から消えてしまった。

何が言いたいかというと、Berryz工房というアイドルを、ものすごく短い期間とはいえ追っかけていた時期があって、その記憶があるうちに言葉で残しておこうと思い立って記事を書いている。

タイトルにもあるように、あくまで個人の視点で記憶にあったことや感想を書き残したいだけで、ヲタクを代表してBerryz工房はこうだったと論じたいわけではない。

追っかけた期間

私がBerryz工房のライブに本格的に参戦するようになったのは、Berryz工房が活動休止を発表した後である。

つまり期間としては2014年8月ごろ~2015年の3月までで、10年以上の歴史があるBerryz工房の中では本当に極わずかな最後の期間のみになる。

だから私は、ギリギリ滑り込んだニワカな新規ヲタクとして、11年続いたBerryz工房というアイドル現場の最後の期間を見届けた、という視点でこの記事を書いている。

現場のガラパゴス化

書き残しておきたい、と思った要素の1つとして、当時のBerryz工房の現場があまりにもガラパゴス化していたように感じているからだ。

あくまで自分の感触だが、当時のBerryz工房含めたハロプロのグループは、一般に知られるほどテレビに露出していない、かつ、アイドルフェスや対バンにも出てこない、という印象が強く、ちゃんとライブを見に行かないと触れる機会が少ないように見えた。

ハロプロ、という大きな看板の下で活動しているので一定数のオタクがいるが、大きな新規参入は無いのが現状だったと思う。

事実、SSAの単独コンサートの最年少記録を持っているが、それ以降同じ規模の会場での単独コンサートは無い。(よね?)

その結果、長い年月で熟成されたベリヲタが残っている独特の現場になったと感じていて、私は他のアイドルの現場も少し体験したが、Berryz工房の現場でしかできなかった体験が沢山あった。

後述するベリヲタ達を見てきたので、その辺の現場の、その辺のオタクの奇行では、何も驚かなくなっていた。

Berryz工房という1つの完成形

なんとなくアイドルを正統派、個性派、と分けたときに、Berryz工房は後者になると思っている。

あえて同期の℃-uteと対比すると、℃-uteはどちらかというと正統派だと思っていて、比較的多くの歌割りを担当していた矢島舞美さんや鈴木愛理さんが黒髪ロングのビジュアルなのに対して、Berryz工房菅谷梨沙子さんと夏焼雅さんは茶髪どころか金髪で、ギャルっぽいビジュアルだった。

少なくとも、"行け 行け モンキーダンス"というタイトルでシングルを発表して、メンバー全員が猿のコスチュームで踊っているMVが存在する正統派アイドルを、私は知らない。

そんな個性派アイドルの完成形の1つがBerryz工房だと思っている。

こんな方向性で進めよう、というのはきっと運営が色々決めているのだろうけど、11年経って、それを見事に乗りこなす円熟した彼女たちのライブは本当に隙が無かった。

正統派アイドルがバランスよく大きな五角形のステータスになるなら、Berryz工房はギザギザした形になるのだろうが、それぞれの尖った部分で絶妙にバランスが取れていた。

楽曲はどれもライブでめちゃくちゃ楽しい。途中のMCも、回し、ボケ、ツッコミ、毒舌、天然ボケ、みたいな役割がきっちりしていて飽きないし、パフォーマンスは全員が1人でも余裕なんだろうと思うくらい歌もダンスも迫力があった。

だから、ここまで書いてきたけど、このパフォーマンスの目撃者が少なすぎるだろ、と思っている。

色とりどりのベリヲタたち

ここまで長々と書いてきたが、正直一番残したいのはここ。本人のパフォーマンスはライブは見られなくとも、映像では沢山見られる。

そのカメラの後ろ側である。

とにかく熟成されたベリヲタの現場での様子を残しておきたい。

ライブへの覚悟を教えてくれた

ライブの開演前、オタクたちは準備で忙しい。

荷物をライブ中に気にしなくていいように、荷締め用のベルトを持参して椅子に荷物を縛り付けておくのは当然として、私の右斜め前のベリヲタはそれだけじゃなかった。

おもむろに通路側に出るとまず屈伸や肩回しをして準備体操を始め、何か手に持っているな、と思っていたら、それは膝に装着するサポーターだった。

私の知り合いは、連日のライブで足首を痛めてしまったので、痛み止めを飲んでライブに臨んでいた。

痛むのならおとなしくするのではない。サポーターを付ける、痛み止めを飲む。痛みを押して飛ぶ。

ライブは遊びではないのだという、アスリートのような精神を私は見せつけられた。

推しジャン文化

風の噂だと今では禁止になったという推しジャン。

推しの歌割になったら垂直にジャンプし続ける、という奇行なのだが、当時は当たり前にみんなやってた。

その中でも有名なオタクがいて、やたらジャンプが高い上に、今では絶対禁止のデカいサイリウム(交通整理の人が持ってるようなやつ)を振っていて、そのオタクだけは迷惑がられていた。

そのオタクについては色んなうわさを聞いた。あのジャンプ力の背景には陸上で国体に出た経験があるとか、最前でカメラに被って飛びまくったから、ライブ映像にそのメンバーの正面からのカメラ割が無いとか。

1回たまたまそのオタクと縦連になったことがあったけど、確かに視界を全部遮られて、私の顔の前にケツが来るくらいの感じだったので、まあ迷惑だった。

でも、それ言ったら推しジャンみんな迷惑だし、廃れるべき文化だとは思った。

開演前の奇声

ベリヲタは開演前に奇声を上げる。

開演前って、始まる直前に照明が落ちて「Foo~~!」みたいな話ではない。

普通にホールコンサートで開演10分前とかに皆がガヤガヤしていて会場も明るい状態で推しの名前を叫びだす。

急に右後ろから「も゛も゛こ゛お゛!!!」と叫ばれたときはびっくりしてしまった。

「しみず さきさ~ん」となんかフルネームにさん付けしてるのは独特で笑った記憶。結構好き。

「ちなみ! ちなみ!」と複数回連呼した後、「好きだ! 結婚してくれ! まずは交換日記から始めよう!」と中々に長尺で叫び続けるパターンもあった。なんかこれは毎回やってるらしく、一連の奇声が終わった後、オタクからまばらな拍手が起こっていた。開演前にこれが起こらないと「今日いないの?」となる。模倣する偽物も存在し、そいつに対しては拍手が起こらない。

エアギター

なんか特定の曲で突然エアギターして楽しんでいるオタクがいた。友達とノリで、とかではなく1人で。気持ちよさそうにギターを弾いていた。いいなぁ、その楽しみ方。

フリコピ

フリコピはメンバーの振り付けをコピーして一緒に踊る行為で、アイドル現場にはよくある。

Berryz工房現場にもフリコピ勢は多く、大抵の曲では手の部分の振り付けだけをマネしているが、特定の曲で、メンバーが後ろを向く振り付けまでコピーする場合がある。

ある曲のサビで後ろを向く振り付けが発生するのだが、知らないと突然サビで眼前に無数のオタクの顔が現れる。

煩悩の数

1枚9000円するチェキを「煩悩の数だけw」と言って108枚撮っているオタクがいた。

それなおじさん

ライブのMC中、メンバーの発言に対して全部「それなぁ!」と言っているおじさん。多分近くだとうるさい。

ラストコンサートで

アイドル現場には、コールと呼ばれるものがある。

私も色んなコールをした。

Mixも打った。ガチ恋口上もやった。数えきれないほど推しの名前を叫んできた。

そんなコールの中でも忘れられないことが、Berryz工房のラストコンサートで起こった。

ラストコンサートの最後の最後の曲は"Love together!"という曲。

これはBerryz工房で最後に発表された楽曲で、いわゆるお別れソングという位置づけだった。

普通に聴いてもうるっときてしまう曲なのだが、彼女たちはこの日、ピアノアレンジ、つまりはバラード調でしっとりと歌う形で披露した。

歌が始まったとき、多分オタクたちは一瞬、コールを入れるか迷ったはずだ。

Berryz工房でのコールは、楽曲特有の特殊なものを除けば、基本的にメンバーの歌割の後にそのメンバーの名前をコールするものが主だ。

「普通だったら名前コール入れるけど、ピアノアレンジだし、合わないよな。最後は彼女たちの歌声をしっかり聴いた方がいいよな、うん、コールは入れないよな」

というやりとりが頭の中で一瞬行われたと思う。私はそうだった。

他のオタク達も多くがそう考えたらしく、Aメロ始めの嗣永桃子さん、熊井友理奈さんのパートではコールは起きず、静かに最後の歌を聴いていた。

ただその後の、菅谷梨沙子さんのパートだった。

この日の彼女は喉が限界になってしまっていて、本人が感極まっていることも含め、もうその歌声はかすれ、絞り出すようだった。

そんな姿を見て私は、ついというか、もう体から湧き出るように、「梨沙子お!」とコールをしてしまった。

そんな合わないコールをして、周りから白い目で見られたか。そうはならなかった。

なぜならこのとき、他のオタクも同じタイミングで、梨沙子コールを入れていた。

そしてここから、「いや、俺たちベリヲタは最後までうるさくしなきゃいけねえ」とでも言うかのように、ベリヲタ渾身のコールが響き、最後は大合唱して、各々その最後の瞬間を迎えていった。

この時私は、コールと呼ばれる行為の本質的な部分を体験できた気がしていて。

色んなコールのやり方を調べたり覚えたりマネしたりしてきたけど、本来コールってこういうものだよなって。

頭で考えたわけじゃねえ、内側から湧き出る応援の気持ちを表現したものがコールだよなって。

初心のようなものを教えられた気がしたし、この体験は今でも忘れられないし、まあ今はコールする機会なんてないのだが、誇りに思って生きていく。

ちなみにこの模様は公式で、オタクの声が爆音の状態でアップされている。

www.youtube.com

終わりに

現場の面白話として人に話すことはあったけど、いつか忘れると嫌だから書き残そう、と思い立って書き始めたら、思いのほかあふれる思いが多く、長くなった。

そして、絶対もう忘れてることがあると思う。特にベリヲタの話。

Berryz工房、世間的には大きなヒットソングもなく、嗣永桃子さん知ってるな、くらいの感覚だと思うのだが、私にとっては、前述の通り、1つの完成形だと思うくらい素晴らしいグループだった。本当にありがとう。

これが、私が見たBerryz工房でした。