地下アイドルにハマりすぎてヤバかった話
ラブライブ!の話じゃないです。
タイトル通り私は以前、いわゆる地下アイドルにドハマりしていた。
その時の自分の精神状態を客観的に思い返すと、中々にヤバい状態だったので、備忘録として残しておく。
先に書いておくが、これは決して「アイドルヲタクなどすべきではない」という話がしたいのではない。私はアイドルヲタクをして後述するくらい楽しかったし、後悔の気持ちも全くない。
ただ、どう考えても頭おかしい状態だった。それだけである。
1.アイドルは、麻薬だ
「何をそんな大げさな」と思うかもしれないが、マジである。
私が地下アイドルにハマって強く感じたのは、その強い依存性である。
やめられないのだ。なぜなのか。
私が現場(イベント会場のこと)に通って、何を感じていたのか。つまりは、何を感じたくて、現場に行くのを止められないのか。
「ライブを見て楽しい」「ストレス発散になって気持ちいい」「可愛い女の子と喋れてうれしい」。
そんなものではなかった。
私が感じていたのは、幸福感だった。
「幸せだ」と思う気持ち。「この時間がずっと続けばいいのに」と願う気持ち。
毎週末、現場に足を運ぶたび、そんな気持ちで満ち溢れていた。
完全にキマっていた。
もっと観たい……もっと欲しい……そう思っているうちに、イベントは終わる。
イベントが終わり、帰路につき、そして一晩明けると、「イベントのない日」がやってくる。現実だ。
私はそれを過ごすのが退屈でしょうがなかった。
色鮮やかに輝いたものを見て、幸福感で満たされる週末に比べると、それが無い日は味気が無くて、とにかくつまらなかった。
土日にイベントがあるとすれば、もう月曜日から「早く週末になってくれ」と願っていた。
火曜日あたりまでは日曜日の余韻が、とかは無い。
下手すれば日曜日のイベントが終わった瞬間から「早く今週終わってくれ」と思っていた。
週末のイベント以外の日常が、週末のイベントまで待つだけの日々になった。
あるとき、毎週、少なくとも隔週ペースで通っていた現場に、様々な要因で1ヶ月ほど行けないことがあった。
「次に彼女たちに会えるのは1か月後」そう考えたとき、本当に体が震えた。
1週間に1度でも足りないと思っていたクスリを1ヶ月も摂取できないとなったら、わなわなと頭を抱えたし、何も手につかなくなった。
さすがにその時は「おれやべーな」と思ったが、だからといって止めるわけもなく、1か月後、差し出された幸福感に飛びついていた。
2.金銭感覚が狂う
当然のように金銭感覚も当時はかなり狂っていた。
私はどちらかといえば倹約家で物欲も少なく、普段はあまりお金を使いたがらない人間だ。
しかしアイドル相手には、そんな私が1日、もしかすると1ヶ月ほども考えて用途を決めるような金額のお金を、何も迷わずに湯水のごとく使っていった。
そもそも私がお金を使うことを躊躇するのは、無駄になるかもしれないと思うからだ。
買ったはいいけど使わない。思ってたのと違う。不良品。そんな心配があるから悩むのだ。
しかしハマったアイドルはどうだろう。
お金を積めば確実にそれに見合う幸福が返ってきた。
いくら使っても間違いがなかった。この幸福感のためなら、いくらでも使ってやると思えた。
ある程度あった貯金は蒸発した。借金するまで落ちなかったことが幸いか。
3.アイドル以外どうでもよくなる
ハマる度合いが強くなってくると、だんだんアイドルに対する優先度が、もはや趣味の位置づけではなくなってくる。
命、家族、の次くらいになってくる。
もうアイドルのことしか考えられない。
勉強も、仕事も、どうでもいい。
異常な行動力と体力で、ひたすら現場に通った。
大きかったのは、どんどん現場に知り合い、ヲタク友達が増えていくことだ。そして、ヲタク飲みの楽しさを知ってしまうことだった。
常に独りぼっちで通うだけだったら、私の場合はここまでハマらなかったかもしれない。
現場に行くと必ず知り合いがいる。暇な待ち時間はずっと雑談してられる。
そして、現場が終わったら感想を語らう。これが大きい。
自分はヲタク飲み以外に、3時間、4時間、本当に自分の好きなものだけをひたすら語り合える飲み会に出くわしたことが無い。
普通は、テレビの話だったり、場にいない者の陰口だったり。数時間の飲み会を通して、興味のある話もあれば、聞いてるだけの話も出てくる。
悪いわけでは無い。それが普通だし、十分楽しいと思う。
とにかくヲタク飲みが異常なのだ。
今自分がめちゃくちゃ好きなものを、その場にいる全員が同じように好きという状況。普通の飲み会では不可能。あり得ない空間。
内容も基本的にポジティブな話のみ。こんなに平和なことがあるだろうか。
好きなものを見る。それを思う存分語る。
この流れが出来てからは、嫌々付き合う飲み会が本当に無価値だと思うようになった。
そしてついに自分は、ヲタク友達以外の友達と疎遠になっていく。
というか、ならざるを得なかった。
なぜなら、地下アイドルは現場数が多く、基本的に毎週末埋まっていた。
そのため、「今月いつ空いてる?」と聞かれても、「空いてない」と答えるしかなかった。
もっと言うと、「まだ公式のアナウンスは無いが、おそらくこの日にライブがあるはず」という考えまで至り、予定を埋めないようにしていた。
誘ってくれる友人には悪いと思っていたが、止められない。
今、そのアイドルを見ることの方が、重要だった。
本当にアイドル中心の生活だった。
こんな自分を見捨てずに、まだ友人関係を続けてくれる人がいることに、本当に感謝しなければならない。
4.終わりに
以上が私が地下アイドルにハマっていた時の精神状態である。
ひどいと思うだろうか。こんなの序の口と思うだろうか。
冒頭にも書いたが、私はこの記事を通して「地下アイドルにハマるのは危険」と伝えたいわけでは無い。単なる備忘録である。
ただ、もし近くにアイドルにハマって私と同じ状態に陥っている人がいたら、理解してあげてほしい。
彼らに何を言っても無駄だ。
あなたへの優先度は、アイドルよりも低い。