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ラブライブ!サンシャイン!! 2期第2話まで見て 感想

はじめに

この記事を見てしまった君は「ラブライブ!サンシャイン!!」というアニメを見ているだろうか。
心は輝いているだろうか。
「見てないよー」という君は注意だ。
「楽しく見てるよー」という君はもっと注意が必要だ。
この感想はネタバレあり、そして内容は個人の主観的意見であり、もっと言うと、否定的な感想であるからだ。
あとさらに言い訳しておくと、サンシャインは各話1回ずつ(この記事で題材となる2期2話のみ2回)しか見ていないため、単なる記憶違いを顔真っ赤にして叩いている場合もある。
それらに注意してお読みください。

 ・・・

ラブライブ!サンシャイン!!が2期になっても、なんか面白くない
もはやその「なんか」を考察することもしんどい。
しかし、それはそれで悔しいので、頑張って文章にすることにした。

 

2期2話まで見た全体的な感想としては、相変わらず「ちぐはぐ」だ。
見ていく中で生じた「ちぐはぐ」を消化できず、話についていけないうちに、「結果」だけを押し付けられる。
そしてその押し付けられた結果を元に話が進むから、もっとちぐはぐする悪循環。
そんな感じでこの悪循環は1期から続いているのだが、ここまでの15話全部について書くと大変なことになってしまうので、ここでは、2期2話に焦点を絞る。

2期2話で私が感じた「ちぐはぐ」は3つある。

1.2期第1話は何だったのか
2.大したことない着地点からの解決
3.そもそもこのテーマについて触れるのがおっそい

それぞれについて以下に書いていく。


1.2期第1話は何だったのか

これは、2話冒頭で「入学希望者を100人集めれば廃校阻止」と条件が提示された部分である。

「2話」は当然「1話」を受けての「2話」である。
では1話はどうだったかというと、
廃校の危機どころか、ほぼ廃校決定、というところまで追い込まれてしまった大ピンチである。

この展開を見た私の解釈としては、
それはつまり、もうこれまでのラブライブのように「活躍して、人を集める」だけではなく、それ「以上」の何かを成し遂げなければ学校を救えないくらいヤバいんだ、という認識だった。

別にこの方向性は否定しない。
無印、そして1期とは差別化してるっちゃしてるし、グダグダの1期を全部壊して、ちょっと暗めな雰囲気で進むのはむしろ良いじゃないかくらいだ。

だというのにだ。
100人集めたら廃校阻止ってそれはもう結局、活躍して人を集める、である。
それ、すでにμ'sで見ました。

しかも、今作では思い出したかのように「廃校キター」→「やっぱり私この学校好きなんだ」と1話だけしか触れてない浅さなので、
廃校阻止をテーマにスタートした無印と比べると、完全に下位互換である。
輝きたいのか廃校を阻止したいのか、もうわからない。

結局なにも新しさの無い方向性に拍子抜けである。

2話全体に目を向けると、1話の切迫感が嘘のようなギャグシーン多めの話になっている。
ギャグシーン自体は否定しないが、「え、お前らこんなふざけてていいの?」と1話とのちぐはぐを消化できない私は、笑えない。

「今すぐアメリカに行って直談判してやる!」
と周りが見えなくなるくらい必死になっていた千歌が、
「歌詞は思いつかないが、夜遅くまでパラパラ漫画を描いていた」
と笑っている姿にはドン引きである。

1話の雰囲気を全て「無」にして、2話を新たに始める手法は、1期13話AパートBパート間でも見られたが、「無」を投げつけられた私の気持ちを考えてほしいものである。
花丸に「無」を語らせて釈明するのも皮肉がきいているが、笑えないのである。


2.大したことない着地点からの解決

オチが特別大したことなく到底解決に向かっているようには思えない、でも結果だけは出る、という得意のパターンが炸裂している。

今話は1,3年生が協力して曲を作ろうとするが、インドア派のよしまると、アウトドア派のかなまりで、馬が合わずに苦労する話だ。
1項理由から散々笑えないギャグシーンを見せられたラスト5分、様々な大きさの器に垂れる雨粒の音を聞いて1,3年生が出した結論は、
「みんな違ってみんないい」である。

……普通だ。
いや、そりゃあそうだよね、としか思わない着地だ。
その普通っぷりに面を食らっているうちに、曲ができる。一晩で。
今更「女子高生がこんなスピードでこんなセンスある作詞作曲できるわけない」なんて野暮なツッコミはしない。

「性格が違うからまとまらない、どうしよう」←わかる
「でもみんな違ってみんないいよね」←わかる
「曲できた」←わからない。間を説明してくれ。

というツッコミなのである。
みんな違ってみんないい、だから何なのよ、と。
これは発表される曲に全ての答えがある可能性があり、そんなに噛みつくところじゃないかもしれない。

でもね、無印では、合宿をして、それぞれのユニットで何らかの答えを貰った上で、曲、歌詞、衣装ができた気がするのだ
そういう納得できる言葉やしぐさが欲しい。
そういうのが無いと、「そもそも楽器無しでどうやって曲作るんだよ」とか大したことないところまで突っ込みたくなるのである。
「曲ができた」と結果だけを報告するなら、あらすじを読むのと大して変わらないのだ。

ちなみに2年生チームも千歌が突然覚醒し曲ができたっぽいが、さすがにこちらは後にフォローが入るだろう。
しかし、もしかしたら何も入らないかも、と思わせられるのが、今作の怖さである。


3.そもそもこのテーマについて触れるのがおっそい

こういう話は1期のうちに済ませておくべきという話である。
というか、「メンバー間の仲を深める系の話」をいまさらやっているということが、この作品全体が歪みに歪んでいることを象徴している。

なんでも無印と比べるのはよくないが、無印では1期8話で9人揃って10話では先輩禁止で海に向かって9人で手をつないでいる。
それ以降、メンバー間の仲を深めるという当たり前のテーマは扱われない。
対してこちらはもう15話である。
無印では2度目の合宿でユニットごとに分かれて曲作りをしている。
9人揃うのが1話分遅いからとかそういう問題ではない。

そして、今更メンバー間の仲について触れるということは、
逆に言えば1期の段階で少なくとも1年生と3年生はそんなに仲良くなかったということになる。
仲良くないまま、練習に打ち込み、ステージに立ち、そして2期1話では「奇跡を起こそう」と一致団結するのである。
ちぐはぐというか、もう矛盾である。
メンバー間の仲を深めるというマイルストーンを踏まずに進めた結果である。

明示的に扱わなくとも、それを感じる描写があればいいのだが、それすら思い出せない。
学年ごとの3人がセットになっているシーンは印象強いが、学年の壁を越えて仲良くしているイメージは薄い。
今話でも2年生はすでに1年生、3年生といい関係性を築けているような立ち振る舞いであるが、私はそう感じない。
「それを言ってたらまとまらないじゃない」的な発言をする梨子はまるで他人事のようだった。

今作では「メンバーの仲が深まった」描写に失敗している。
そして、この2期2話は、その失敗の傷口を自ら広げているような内容だ。
突然メンバー間の距離が近くなり「仲良くなった描写が足りない」とツッコむ方がまだマシである。
15話も経過してから「よしまる、かなまりはあんま仲良くなかった」と言われて「やっぱり、そう思ってました」と絶望的な感想を持つしかないこっちの身にもなってほしい。

Aqoursのメンバーを見ていて、こいつらあんまり仲良くない、と未だに感じる。
一番と言っていいほど大事な土台がダメでは、上に何も積めない。

女子高生が9人も集まったら、全員が全員と仲良くなるわけがない、というリアル路線の追求は結構であるが、こちらは求めていない。

・・・

ざっと3つの観点から2期2話をツッコんだが、この作品の問題はこんなもんではない。
上述したように1期から続いている、不足、矛盾、堕天など、問題に問題が積み重なっている。

今回の考察では「なんか」に対して核心的な答えは出せなかったが、私が強く感じたのは「メンバーが可哀想だ」ということだ。
話が支離滅裂で矛盾していることも、描写不足で納得できないことも、確かに重要な問題であるが、
結局はそれによって、作品の中で生きるメンバーを不憫に思うことが、辛いのだ。
口ばかりの発言をさせられる千歌も、1期13話の戦犯にされた梨子も、ひたすら滑り続ける善子も、何も悪くない。
彼女たちは精一杯生きている。
それをこんな長文垂れ流して文句言って叩いて、そうせざるを得ないことが何とも悲しい。(じゃあやめろ)

私はもう、諦めている。
これからは視聴のスタイルを「可愛い以外の言葉を失ってしまったヲタク」に変えようと考えている。
可愛い彼女たちを見ているだけで楽しめれば、ストーリーに振り回せる彼女たちを不憫に思うこともなく、笑顔で視聴できるだろう。

・・・

これは余談であるが、
この感想を書くにあたって、ラブライブ無印の1期13話を視聴し、号泣した。
初見、2度目以降でも、1期の13話で泣くことは「ない」と思っていたが、まさかの号泣である。
なぜか。
それは、まともな作品であることがいかに幸せだったのかを感じると同時に、ラブライブサンシャインを憂いたのである。
「穂乃果……君たちはこんなに頑張って素晴らしいものを残してくれたのに……後輩が大変なことになってるよ」と。

いっそ穂乃果が次元を超えてAqoursを救ってほしい。
まさに、

「助けて、ラブライブ(無印)!」

である。(オチ)

以上です。ここまで読んでくださりありがとうございました。