「ラブライブ!サンシャイン!!」2期第3話 感想 -矛盾はあるのかないのか-
もう4話放送直前ですが、「ラブライブ!サンシャイン!!」2期3話のこと。
新曲かっこよくて良かったですよね。本当にこの作品、曲はいい。
しかし、「新曲よかった~。君ここもやっぱり最高や~」で終われたかというと、残念ながらそうではない。
何も引っかからずに見終えた人はいるのだろうか。
「ん? え、なんかおかしくない? 矛盾してない?」
ってなりましたよね。私はなりました。
というわけで今回はそれについてよーく考えてみました。第3話は、話として成立しているのかしていないのか。
私が初見時に引っかかったポイントは大きく分けると2つ。
1.「空でも飛ばない限り無理」な道のりを、みかん畑を突っ切る程度の徒歩で間に合ってしまうこと
2.説明会に行ってるはずのメンバーが予選に来ちゃったりしたその辺全部
私が3話を見直して出した結論から言うと、
上記2点において、矛盾が確定する描写は無い。
となりました。矛盾警察による冤罪でした。
では、それぞれについて私の意見を述べます。
1.「空でも飛ばない限り無理」な道のりを、みかん畑を突っ切る程度の徒歩で間に合ってしまうこと
前半あれだけ無理だと言っておいて、千歌が思いついた秘策は、友人のみかん畑を突っ切ってショートカットする方法。それも徒歩で。
え、あのレール走るやつ超速いの? 物凄い走力なの? どういうことなの、とあっという間に置いてかれてしまう。
この件、まず考えなくてはならないのは、「なにが無理で間に合わない」のかである。距離なのか、手段なのか。
しかし、話の中でここが確定できる描写が無い。「電車もバスも通っていない」と言ってはいるが「じゃあ車で送ってもらう」という発想はなく、空路か海路を考えている。単純に予選会場と学校の物理的距離が遠すぎて無理とも思えるし、バス、電車などの公共の交通手段が無くて無理ともとらえられる。
確定できないので、都合よく考えてよい。
距離が遠かったら、いくらみかん畑を突っ切ろうと、車で間に合わない距離が走って間に合ってしまうはあり得まい。彼女たちが超人的な走力を持っていたとしても。
そう、手段が無いのだ。「山の中にある会場」とも言っているので、そこまでたどり着けるバスや電車が彼女たちには無かった。
しかしそうなると、前述した「車で送ってもらう」という方法である。秋葉原のど真ん中ならまだしも、「田舎」という位置づけの内浦で車を持っていないというのは考えづらく、9人という人数は乗用車3台程度、大きければ2台で足りる。誰も親が協力してくれなかった、というのも無理がある。
つまり、車でも無理なのだ。距離はみかん畑を超えて走れば間に合う距離、であるが、バスも電車も通ってなく、かつ車ではどのみち無理、なのだ。
このことから私がたどり着いた説は、
「みかん畑の形がめっちゃ邪魔だった説」
である。
実は会場から学校は、十分走れる距離、数キロ程度の場所にあったのだ。しかし、そこをみかん畑が邪魔していた。
つまり、みかん畑は、予選会場と学校を横断する形で存在し、かつ非常に細長い形状をしていたのだ。
当然、私有地のため道路は通っていない。車で行くには数十キロの迂回を強いられるため、間に合わない。そこを千歌は友人の土地であることに気づき、突っ切ったのだ。
これならば、みかん畑を突っ切ることによるスーパーショートカットにモノラックによる加速区間がつき、日ごろランニングに励む彼女たちの走力によって、説明会に間に合ったことが説明できる。
はい、次。
2.説明会に行ってるはずのメンバーが予選に来ちゃったりしたその辺全部
ここまで長くなったが、こちらの方がもっと訳が分からなかった。
「始めから説明会は諦めて予選に9人で来てた? いやでも4人が現れたとき明らかに驚いてるし……」
そもそも個人的には、大事な大会に「ぶっつけ本番的な要素」を入れてしまうことが好きじゃないのだが、そんな文句以前に、何かがおかしい。
「4人が向かってるけどトラブルで間に合わない! 5人でやるしかない!」と思ったら間に合った。みたいのならまだ、わかる。
説明会と予選、二手に分かれる、と事前に決めていたが、説明会にいるはずのメンバーが予選会場に現れている、のは、何かがおかしい。
話の流れと描写を改めて整理してみる。
- 説明会組と予選組、二手に分かれると決めた
(と思われる。確定ではない) - 説明会で「Aqoursライブもありまーす」と宣伝している
(=説明会への出演がある) - 予選組の本番直前、説明会組が現れる。予選組、驚いている
(=来ることを知らなかった?) - 説明会へ向かう。2年生以外のメンバー、驚いている
(=向かうことを知らなかった?)
この件、問題は2番なのだ。
2番が無ければ、全て確定しないので、
・始めから9人で予選に参加。説明会は諦めていた
・しかし、諦めなかった2年生に引っ張られてメンバーは走る
・二手に分かれるだとか、驚いてたとか、その他もろもろは視聴者へのミスリード
で説明がつく。それでもかなり苦しいが。
しかし、2番。説明会でのライブの開催が確定しているのだ。さすがにあの描写で未確定とするのは無理だろう。
となると、説明会組が大変なことになってしまう。
なにせ、説明会はAqoursのライブが予定通りあるはずなのに、予選に駆けつけてしまい、説明会へ間に合わせる手立てはなんにも無かったのだ。
さらに説明会はどうしたかというと、宣伝はしてしまったがドタキャン、すらできない。
なぜなら千歌のアイデアを知っているはずの「よ・いつ・む」がスタッフにいるからだ。当然ドタキャンを伝えれば千歌のアイデアの件を知ることになるので、驚いている描写と矛盾する。
つまり、「よ・いつ・む」の耳に入らないように予選へ向かったのだ。ドタキャンどころかバックれの可能性が出てくる。
千歌は千歌で不自然だ。
なぜ、2年生以外のメンバーにアイデアを言っていないのか。間に合わない可能性を考えれば、二手に分かれたままでいるのは分かるが、提案すらしないのはどういうことだろうか。
以上を踏まえて私がたどり着いた説は、
「Aqoursやっぱり仲悪い説」
である。
上記の私が考えるつじつまを極力自然に合わせると、こうなる。
- 説明会と予選、どちらも成立させるため、千歌は「二手に分かれる」ことを提案する
- しかし、2年生以外のメンバーは反対した。「説明会は捨てて、予選に9人で出るべきだ」、と。
- 千歌たちは反対意見を押し切り、二手に分かれることを決定させる
- 千歌、その後みかん畑のアイデアをひらめく
- しかし、失敗する可能性もあるので、2年生以外のメンバーには言えない。あれだけ反対していた説明会組は「9人で予選に出よう!」と騒ぐだろう。それで説明会に穴をあけるリスクを増やすわけにはいかない。当日は予定通り5人でライブを行い、上手くいけば説明会に駆けつけられる
- 当日、説明会組、「やっぱり予選、行っちゃおう」と学校から逃亡
- 千歌たち、突然現れた説明会組に動揺するも、なんとかライブを終え、説明会へ向かう
- 奇跡が起こって、どっちも叶う!
千歌は冷静にリスクの分散を考え、説明会組は死ぬほど予選に出たかったのだ。
矛盾は、無い
と、いうわけで、長々と書いてきましたが、最初に述べた通り、第3話に矛盾を確定する描写は無い、のである。
しかしその代償として、話がおかしくならないようにつじつまを合わせた結果、メンバーの頭がおかしくなってしまった。
どっちが良かったのだろうか。いっそどうにもできない矛盾点が見つかり話として不成立だった方が良かったのではないだろうか。
今話、矛盾だなんだ、という話にならなければ、色々と思うところはあって、そういう内容を感想として書きたかった。しかし、残念ながらそれ以前の問題であった。
つまりは、新曲よかった~。君ここもやっぱり最高や~である。
以上です。ここまで読んでくださりありがとうございました。